スモークフィルムの種類と、遮熱フィルム・断熱フィルムの違いについて
車のフィルム施工をご検討されているお客様から、日々さまざまなご相談をいただきます。
その中でも特に多いのが、
・スモークフィルムの種類の違いについて
・遮熱フィルムと断熱フィルムの違いについて
・どんな遮熱フィルムを選べば良いか
といった内容です。
今回は、当店に頻繁に寄せられるご質問を分かりやすくまとめました。
フィルムを選ぶ際のポイントや注意点も併せて解説しますので、ご参考になれば幸いです。
※少し専門的、長文になります。お時間がない方はタイトル⑧まで飛ばしてください!
① スモークフィルムって何種類あるの?
一言で「スモークフィルム」といっても、実は大きく2種類に分かれます。
1)UVカットのみのスモークフィルム
・主に紫外線(UV)をカット
・見た目は黒くなるが、暑さ対策(遮熱性能)はほぼ無し
・価格は比較的安価
2)UVカット + IRカット(赤外線カット)の遮熱スモーク
・紫外線(UV)に加え、熱エネルギーの大部分を占める赤外線(IR)もカット
・暑さ軽減・車内温度の上昇防止に効果的
・価格は性能によりさまざま
さらに言えば、遮熱スモークの中でも「赤外線をどれだけ広い範囲でカットできるか」で性能差が大きく出ます。
見た目が似ていても、中身の性能は全く別物ということも珍しくありません。
② 「遮熱フィルム」と「断熱フィルム」の違いは?
お客様から最も多いご質問がこちら。
結論からお伝えすると──
カーフィルムの場合、「遮熱フィルム」も「断熱フィルム」も同じものを指すことが多いです。
最近では、販促の言い回しや説明の簡略化から
遮熱フィルムを “断熱フィルム” と表現されるケースが増えています。
ただし実際には、両者には本来別の意味があります。
・遮熱(しゃねつ):太陽の熱をカットして暑さを軽減すること
・断熱(だんねつ):熱そのものが移動しにくい構造を作ること(熱伝導を防ぐ)
カーフィルムはあくまで「遮熱(赤外線の反射・吸収)」が中心の性能であり、
建築分野で使われる“断熱”とは少し意味が異なります。
言葉として広く使われている分、
お客様がイメージされる効果と実際の性能にズレが生じることがあるため、当店では「遮熱フィルム」と表記を統一しています。
③ 遮熱と断熱の違いをもう少し詳細に(熱貫流率の解説つき)
ここでは “遮熱”と“断熱”がどう違うのか を、より具体的な数値も交えてご説明します。
🔥 遮熱(カーフィルムが得意とする性能)
遮熱とは、太陽光の中でも熱エネルギーの大部分を占める
赤外線(IR:780nm〜2500nm)を反射・吸収して、室内へ入る熱を減らす性能 のことです。
つまり、
・太陽光由来の熱をどれだけ“入り口でカットするか”
という考え方です。
カーフィルムはこの 遮熱性能がメイン であり、
貼ることで「日差しの熱さがやわらぐ」と感じるのはこの効果によるものです。
❄️ 断熱(建築で使われる本来の意味)
断熱とは、
外と内の“熱が移動しにくくなる”構造や性質を持たせること です。
ここで重要な数値が 熱貫流率(U値)。
🔍 熱貫流率(U値)とは?
建築分野で使われる指標で、
1㎡あたり、どれだけ熱が通り抜けるかを示した数値
値が小さいほど、熱が伝わりにくく“断熱性が高い”
という意味を持ちます。
※複雑にならないように一部説明を省略しています。
🪟 車のガラスにフィルムを貼った場合(ここが重要)
• カーフィルムを施工しても、
ガラス自体の熱貫流率(U値)はほぼ変わりません。
つまり貼った後のガラスは、
• ガラスそのものが熱を伝えにくくなったわけではない
• 「断熱構造になる」わけではない
ということです。
だから カーフィルムは“断熱”ではなく、あくまで“遮熱が主体”の性能 になります。
🏠 建築用断熱フィルム・複層ガラスとの違い
一方、建築の世界では、
• Low-Eフィルム(建築用断熱フィルム)
• ペアガラス(複層ガラス)
• トリプルガラス
• 樹脂サッシ + 高断熱ガラス
などは、
ガラス全体の熱貫流率(U値)が大きく改善される=構造として熱が伝わりにくくなる
という特性があります。
これこそが 本来の断熱性能 であり、
カーフィルムの遮熱機能とは全く別の仕組みです。
④ では、車に貼るならどんな遮熱フィルムを選ぶべき?
ここまでで、
・カーフィルムの“断熱”とは遮熱を意味する
・断熱ガラスとは別物
ということが分かったと思います。
では、実際に車へ施工する場合、どんな遮熱フィルムを選ぶべきか?
結論は非常にシンプルで、
👉 赤外線カット率の高い、高性能フィルムを選ぶこと。
ただし、ここに落とし穴があります。
⑤ 赤外線カット率には注意点があります(重要)
メーカーのカタログに記載されている「IRカット率(赤外線カット率)」は、
実は 測定方法がバラバラ です。
そのため、同じ「赤外線カット90%」のように見えても、
性能に大きな差が出ることがあります。
主な測定方法の違い
・ピーク値(最大値)だけ掲載
→ 一番得意な波長だけ高い数字
・特定波長帯の平均値のみ
→ 一部だけ優秀に見える
・780〜2500nmの広帯域で平均化
→ 実際の遮熱性能に近い(信頼性が高い)
フィルムのカタログには専門的な数値が多く、
「数字が大きい=涼しい」と考えてしまいがちですが、
どの範囲で測った数字なのかが非常に重要です。
⑥ 当店で実際にあった事例(持ち込みフィルム)
「ネットで買った断熱フィルムを貼ったけど全然涼しくならない…」
というご相談があり、当店で確認したところ…
・見た目・濃さ・色味 → 当店取扱品とほぼ同等
・しかし赤外線カット率を実測 → 全く違う数値
▼写真:当店正規品:IRカット率 約97%
▼写真:お客様持ち込みフィルム:IRカット率 約12%
結果として、
・メーカー商品の取り違え
・または第三者経由の偽物
が疑われるケースでした。
見た目だけでは、プロでも判断が非常に難しく、
測定器を使って初めて違いが確認できるほどです。
お客様も仕上がりに納得されていなかったため、
最終的に当店で正式に施工させていただきました。
⑦ 持ち込みフィルム施工を原則としてお断りしている理由
上記のようなケースが実際に起きているため、
当店では 持ち込みフィルムの施工を基本的に受け付けておりません。
理由は以下の通りです。
・性能の真偽が確認できない
・ロット番号や品質保証が無い
・施工後に何か問題があっても保証ができない
・カットラインや厚み、粘着材が商品により大きく違うため施工難度が一定でない
当店では、
・国内正規流通品
・メーカー純正オプションフィルム
・ロット番号で管理された製品
のみを取り扱い、品質と安全性を担保しています。
⑧ まとめ(これだけ押さえればOK!)
・スモークフィルムには「UVカットのみ」と「遮熱(断熱)タイプ」の2種類がある
・車に使われる“断熱フィルム”という表現は、本来の断熱とは少し違う
・実際に重要なのは 赤外線(IR)をどれだけ広い帯域でカットできるか
・赤外線カット率は“測定方法”によって数字が大きく変わるので要注意
・通販サイトでは性能が正確に表示されていない例もある
・品質の見分けはプロでも難しいため、信頼できる店舗での施工が安心
「フィルムを貼ってみたいけど、何を選べばいいか分からない…」
そんな方はぜひ一度ご相談ください。
目的やお車の使用環境、ご予算に合わせて、
最適なフィルムをご提案いたします。
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◇ Detail-1(ディテールワン)
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営業時間:9:00〜18:00
定休日:水曜・日曜・祝日
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