
「塗装が剥げてきたから隠したい」「傷を隠したい」はできるの?
日頃から多くいただくご相談のひとつに、
「塗装(クリア)が剥げてきたからラッピングで隠したい」
「小傷を隠すためにフィルムを貼りたい」
というお問い合わせがあります。
結論からお伝えすると、当店ではこのようなケースの施工は基本的にお断りしています。
理由はシンプルで、ラッピングフィルムは“カラーチェンジを楽しむもの(下地依存)”であり、塗装不良を隠すためのものではないためです。
塗装が傷んだ状態でラッピングを行うリスク
塗装が劣化している状態でフィルムを貼ると、以下のようなリスクがあります。
• フィルムの粘着力で、さらに塗装が剥がれる
• 表面の荒れや傷がフィルム越しに浮き出る
• 剥がす際に塗装ごと剥離してしまう
そのため、基本的には板金塗装による修復をおすすめしています。
塗装のコンディションが整っていない状態での施工は、見た目・耐久性ともに満足いただけない可能性が高いからです。
下地処理をすれば施工できる場合もありますが…
まれに、下地を整えることで施工が可能と判断できるケースもあります。
その際は、リスクを事前にご説明し、ご理解いただいた上で施工させていただきます。
ただし、そのような場合は
下地処理にかかる手間やコストが大きく、結果的に板金塗装と変わらない金額になることが多いです。
そのため、あえてラッピングで対応するメリットは少ないと考えています。
それでもラッピングを選ぶなら…
それでも「塗装では表現できないデザインを楽しみたい」という方には、
ラッピングならではのメリットを活かしたご提案も可能です。
• カーボン柄
• 迷彩柄
• マジョーラ(光の角度で色が変わるカラー) など
こういったフィルムは塗装では再現が難しく、デザイン目的で施工するケースが多いです。
実例:劣化したルーフをカーボン柄でイメージチェンジ
参考例として、黒いツートンルーフのクリア剥がれが進行していたN-ONEに、
ルーフのみカーボン柄フィルムでラッピングした施工例があります。
フィルムによって印象が大きく変わり、
単なる“隠す施工”ではなく、“デザインとして楽しむ”仕上がりになりました。
(▶️参考画像:N-ONE ルーフカーボンラッピング Before / After)




まとめ
ラッピングフィルムは、あくまでカラーチェンジを楽しむための製品です。
塗装の劣化を隠す目的で施工しても、長期的には満足できない結果になることが多いため、
まずは塗装状態の確認からご相談ください。
次回予告
👉 次回の「良くあるお問い合わせ【ラッピングフィルム編②】」では、
「ラッピングフィルムの耐久性は?」についてご紹介予定です。